File7:グレコ PB-750
 
これが初めて持った自分のベースギターでした。
 いわゆる「山内テツモデル」という奴で、PJタイプの先駆け的なモデルでした。
 後輩が質屋で買ったという奴を譲り受けたのですが、長年、倉の中に眠っていたらしく、
 そのソフトケースが放つ、強烈な樟脳とカビの混じった匂いには閉口しました。
 フロントとリアの音量差が激しく、貼り合わせのセンボディがとても重いベースだったので、
 練習スタジオでも扱いにくく、しばらくしてから売り飛ばしてしまいました。
 実はフロントをジャンクセールで手に入れたディマジオのバッタものに取り替えていましたが、
 買い取り査定のあんちゃんはそれを本物と見間違えて、かなりの高値で査定してくれました。
 40年近くも前のこと、今はもう時効だから許してね、ク○サワのあんちゃん!!

 
File 8:トーカイ ジャズベースモデル 型番不明
 前のベースの重さに懲りて、今度は軽いベースをと思い、新宿のイ○バシでこれを見つけました。
 黒に近いダークグリーンのメタリックで色がかっこよかった。軽いせいで音はかなりハイがはっきりしていましたが
 その反面、ローが足りなくてちょっと困ったちゃんで、甘く芯のある包み込むような音は結局出ませんでした。
 ネックのセットに問題があったのか、テンションをかなり高めにしないとビビるのでだんだん弾かなくなりました。、
 その後、実験的にフレットを抜いてみたら、元の音の輪郭から、それなりに楽しめるようになりました。
 最期はどうなったのかな。たしかどこかに売却した覚えはあるんですが・・・・・。

File 9:アイバニーズ AR-1000 (型番が怪しい。レスポールをダブルカッタウェイにしたようなアレです。)
 
フュージョン・ロックのバンドに加わることになって、ハンバッキングのついたいいギターが必要になりました。
 しかしこのギターは私の手元にあった期間の最短記録を作ることになりました。その日にち、なんと3日間!
 コイルタップなどのスイッチがついていて、音のバリエーションは素晴らしかったのですが、
 初めて持った時、重いボディの割にかなり薄くて細めのネックという全体のバランスにためらいました。
 それでも「すぐになれますよ」という店員さんの言葉を信じて、とりあえず一度は連れて帰ったのです。
 しかし、その晩と翌日1日かけて弾いてみたのですが、どうしても馴染めない。生理的にダメだったんです。
 結局、翌々日に他のギターに買い換える決心を。しかし当然のことながら中古扱いになり、下取りの形になりました。
 誤解のないように補足しますが、決して悪いギターだったのではありません。単に私との相性の話です。


File 10:ヤマハ SG-1500 ジェイドグリーン
 前項のギターの変わりに連れてきたのがこのギターです。スルーネック仕様というやつで
 ヘッドからボディエンドまでの長さをメイプルとマホガニーがサンドイッチになった材が貫くという構造でした。
 そのためか音の輪郭がはっきりしていて、エフェクターのノリが良かった。実にヤマハらしいギターです。
 当時はループを使ってボードを組むほどの数のエフェクターを使っていましたので、結構重宝しました。
 そしてシースルーグリーンのボディの色も魅力だったのですが、その後に生音中心の曲へとシフトし始めた途端、
 そのぺらぺらの音にいまいち馴染めないことに気がつき、結局は友人のところへもらわれていきました。

 要するに、この時期の私にはレスポールが必要だったのでしょう。今を思えばちょうどこの時期、
 あのグレコでさえもレスポールを作らず、オリジナルモデルばかりを作っていました。
 もしどこかに適当な価格のフルコピーモデルでもあれば、こんな回り道をしなかったかもしれません。

File 11:ブルーベル W-350
 ドレッドノートタイプでスノーフレイクスのポジションマークとヘリンボーンのバインディングがイカしてました。
 File1のコタニがトリプル・オーだったのでどうしてもドレッドノートが欲しくて、大学1年の時、2本目として購入しました。
 ちょっとばかりブリッジが高めでテンションが強めで、多少弾きにくかったのですが、「ジョリーン」というはっきりした音と、
 厚いトップ板のわりには音量があったせいで、結構お気に入りで使っていました。大学の学園祭の野外ステージで
 のど自慢のバックでツイストと沢田研二をこれ1本で演奏し、見事に指が血だらけになったのもいい思い出です。
 実はこれを購入するとき、偶然、「あくまでも偶然」ですが、隣にあったギターと、値札が入れ替わっていました。
 このギターの定価は35,000円。隣のギターの定価は30,000円。素直な私はそのまま店のお兄ちゃんに「これください。」といい、
 素直なお兄ちゃんはそのままレジを打ちました。その後、私は急ぎ足で店を出ると半年くらいその店には行きませんでした。
 あの日からかれこれ40年弱・・・。 もう時効でしょ?渋谷イ○バシのお兄ちゃん!

 
File 12:K・ヤイリ YW500R (Kちゃん)
 現在、アコースティックはこれのみ。タグシールには1983年製とプリントされています。
 友人が持っていたヤイリに魅せられて、File7のベースと前項のギターを下取りに出して新品で購入したものです。
 そのときは店頭になく、木曽の工場から直接送ってもらったものですから本当に私しか弾いていないということになります。
 なんせ作ったのが知る人ぞ知るK・ヤイリ。定価は50,000円ですが中途半端なものではない。実際に今現在同じ仕様で
 出ているものは倍以上の定価がついています。それをかれこれ40年以上も使っているわけですから、言わずもがな。
 トップは程よい飴色に枯れ、音もそれにふさわしい貫禄を持つ鳴りと艶を感じさせてくれます。
 一度だけ信頼おけるリペアマンの方にブリッジを削ってもらったのと、自分でLRバグスのピックアップを取り付けましたが
 その音にはなんら変化は見られませんでした。それだけ本体の造りがしっかりとしているということなのでしょう。
 エレキはフェンダーやギブソンを手にすることがあるので、アコースティックもギブソンやマーチンを試してみるものの
 残念ながらこのギターの音を超えるものには巡り会っていません。おそらく私の形見になる1本かもしれません。
  

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