File71.ヒストリー ZLS90-CFS ブラックサンバースト
きっかけはどこかで聴いたレスポールのクリーントーンでした。
そういう音を使ってみたいと思い、現行のギブソンを何本か試してみたのですが、どれも大味で音が全然艶っぽくない。
どうしたものかと思いつつ、偶然立ち寄った横浜のシ○ムラでお兄ちゃんが出してきたのがヒストリーのレスポールタイプでした。
半信半疑で弾いてみると音の立ち上がりがすごく良くて、これは弾いているうちに育ってくるかもしれないなと思いました。
しかしそうはいっても、メインではないので、育てる時間自体があるんだろうかと、ここはひとまずクールダウン。
ところがそれから少し経って、普段はほとんど行かない川崎のシ○ムラでこの子に出会ってしまったのでした。
黒いサンバーストのトップのトラ目が美しく、つい試奏してしまったのがまずかった。先日のものよりもさらに素晴らしい。
さすがフジゲン。歪んだ音で荒々しく弾くのはもちろん、、クリーントーンを主体で地味に弾くにはもってこいの音です。
今現在は友人のレスポール・フリークのところで修行をしておりますが、彼のメインが不慮の事態に陥った時に「良い仕事」をして、
頑張っているようです。
File72.フジゲン シンラインモデル SP-KY/EC (シンジくん)
File69のシンラインは頼りにはなるのですが、一つだけ好みに合わないところがある。それは指板がメイプルであること。
塗装が薄いためか、汗っかきの私でも指が滑ってしまうことはないのですが、指先の感覚がやはり違うのです。
ネックだけを換えようかと思ったのですがバランスが崩れても困るし、かといってローズ指板のシンラインなんてないし・・。
あれこれと考えているうちに「ええい!ないものは作ってしまえばいいのだ!」という結論に達しました。
あれこれ調べるとフジゲンでオーダーを受け付けてくれるようです。File71での「いい仕事」を見せてもらっているので
さっそく相談に行きました。イージーオーダーという形なら結構安くできるとのことで、頼んでみることにしました。
全体の仕様は'69シンラインのまま、指板だけをローズにしようと思ったのですが、それでは芸がないと思い、
ブリッジを6ウェイのものにして、テンションを稼ぐためにストリングガイドをボタン型にしました。そして最後に色。
これについては悩んだのですが、「ローズ指板のテレキャスならばボディは当然、白だろう」というシャレで決めました。
2ヶ月の製作期間を経て、ご対面の時は感無量でした。なにしろ初めてのオーダーギターでしたからねえ。
File69のシンラインの弟分ということで「シンジ」という名前をつけました。兄貴はもちろん「シンイチ」です。
20年くらい前に使っていた、File19のシンラインは父親の代にあたるので「シンタロウ」ということになりました。
ピックアップをお気に入りのリンディのブロードキャスターに換え、コンデンサやジャック、そしてブリッジなどもお召し替え。
素直なギターで、弾くほどに鳴りが良くなっていきます。名実ともに今の、いやおそらくこれからもメインです。
その後、10年の間の鳴りの変化に合わせて、ブリッジは最初のダイキャストの6ウェイからスティールのものを経て、
さらにはGOTOHのブラス3ウェイのIn-Tuneへと変えました。成長に合わせてパーツも替えてみなくちゃね。
File73.ヤマハMG-2R
近所にあるハード○フ。ここは結構ギター関係が充実しているのです。
いつもは休日の買い物のついでに冷やかす程度でしたが、何故かその日は勤め帰りにふらりと立ち寄ったのでした。
いつものように店内を徘徊しても私を「呼ぶ声」はなく、ホッとしながら(?)店を出ようとした、その時です。
ふと「呼ばれた」ような気がして振り返ると、ジャンクコーナーに白くてすらりとしたこの子が佇んでいたのです。
ジャンクと言っても、私にはまったく問題ではなくらいのダメージで、メンテでなんとでもなりそうです。
諭吉君と引き替えても夏目さんが二人帰ってくる値段でもあり、めでたくお持ち帰りへ。
後日、配線の交換やネックの調整、さらにクリーニングをしてやると見違えるほど良いギターになりました。
ヘッドやボディは90年代を代表するような形をしていますが、音はきわめてオーソドックスで素直で使いやすい。
でもフレットが26もあるので、今までのものとは違うフレーズも大丈夫。
傷のひどい部分をカバーするために貼ったティンカーベルのステッカーから「Tinks」と名付けたこの子。
音源作成用にGRシンセのピックアップもつけてしばらくの間、活躍していました。
ところがワタシのちょっとした気の迷いから、エフェクター入手のための下取り要員として旅立ってしまいました。
ちなみに査定価格は購入価格を少しだけ上回るものでした。へへ、儲かっちゃった。(^^ゞ
File74.アイバニーズAGS83G
かなりブルージーな曲を中心に演奏するバンドに参加することになり、ハコモノが必要になりました。
以前、近年もののギブソンの外れくじで苦労したので、ここはひとつ、贔屓のフジゲンにしよう思い、一路池袋へ。
しかし、途中で気が変わり、横須賀線の新川崎でUターン。それでもふらつく気持ちをクールダウンしようと立ち寄った
横浜のイ○バシの店頭で、中古のこの娘と出会ったのです。中国製。だから非常に廉価。そして中古なのでさらに。
でも、なかなか良い音を出してくれたのですよ。その渋いルックスにも惚れて何回かリハに連れて行きました。
しかし、いかんせん、アイバニーズにしては作りが荒かった。チューニングが今ひとつ、いや、三つくらい甘い。
ブリッジやテイルピースの素材と取り付け方法が災いしてか、せっかくの弦振動が手首にストレートに伝わってこない。
ううむ、どうしようかなあ、と思っていたところへ、File75のギターが現れたのです。
File75.エドワーズE-SA-125LTS
File74の「姑娘」に手を焼いていたとき、ネットで楽器屋をハイカイ中にチェリーの335モデルのコイツに遭遇しました。
中古として潜んでいたのは津田沼のイ○バシでした。状態の表記に比べて比較的安い値付けをされています。
普段なら「これは落とし穴がある」とか何とか言ってスルーするのですが、どうも気になる。しかし店は津田沼。
横浜に住む私にはわざわざ行くにはちょっとばかり遠すぎます。「後ろ髪は引かれるけれども今回はあきらめよう」
と思った矢先、翌日の自分の予定に気がつきました。翌日は友人のライブを見に、錦糸町までいくのでした。
路線図を調べると、津田沼はその延長線上にあります。「ああ、自分はこいつに会いに行く運命だったのだ」と
勝手に解釈したワタシは、翌朝予定より早く横須賀線へ。帰りの車中は黒いハードケースとご同伴でした。
値付けはそれなりの意味があったのですが、メンテナンスでしっかりカバーできました。
ピックアップはあらかじめダンカンが載っていたので申し分なく、さらにジャックとコンデンサの交換作業ののち、
そのバンドに在籍していた間の3本のライブのすべてで、実にブルージーな音で活躍してくれました。
File76.フェルナンデスZO-3 グリーン
私の「悪い癖」に「新しいバンドに参加する時には新しい相棒を欲しがる」というものがあります。
半年ほど暗躍した結果、新たに自分のバンドを組む計画に目処が立ち、つい「その悪い癖」が発症。
とはいうものの、現在所有している相棒たちは十分に頼れるヤツラばかりで、これ以上は無用の長物は必至。
なんとか自分自身をなだめながら過ごしていたのですが、ちょっとした用で普段は行かない街に行った時のこと。
帰り道にハード○フを見つけて、ふらりと入ってみるとジャンクのコーナーから私を呼ぶ声がする。
ふと覗いてみると、いたんです、コイツが。例の如く、ジャンクと言っても軽傷で、こんなのは故障のうちに入らないのですが、
今さらZO-3でもなあと思い、棚に返そうとしたその時です。ふと触れた6弦の鳴りがビイインと手首に伝わってきました。
「え?なに、これ?すごく鳴るじゃない・・。」
ネックをチェックしてみると、その年代だというのにソリも波打ちもまったくない状態。 うわあ、これは・・・。
気がついた時にはレジに並んでいました。(まあ、新渡戸さんと夏目さんが一人ずつのオネダンでしたしね。)
さっそくパーツ箱を漁って、リペアののち、大まかな調整をしたら案の定なかなかの音が出てきました。
こうなると欲が出るものです。後日、フレット周りの仕上げ直しをし、これまた中古で手に入れたダンカンのアルニコUに載せ替えて、
さらにはトーンボリュームもつけてみたら、ライブでも使える一本に仕上がりました。
残念ながらその後に必要な機材の調達のために手放してしまいましたが、査定をしてくれた楽器屋のお兄ちゃんが
「これ、すごいですねえ」と興奮気味に語ってくれたのが嬉しかったなあ。
結局、査定額は「かなりのオネダン」で、またもや「儲かっちゃいました」。(^^ゞ
File 77.フジゲン NCTL-10R/AL/3TS (サンちゃん)
この当時の手持ちのエレキギターはバッカスのシンラインとストラト、エドワーズのセミアコ、そしてフジゲンのシンライン。
これだけあればゴリゴリのデスメタルでもやらない限りはOK。(・・・って、やらないけれどね。)
しかしその油断が命取り。あるテレビ番組の公開録画に参加した時、ゲストの山岸潤司さんの63年のテレキャスターから
素晴らしいクリーントーンが溢れ出るのを耳にしてしまい、それ以来、その音が頭の中を渦巻く日々が続きました。
こりゃいかんと気持ちを静めるべく向かったのが池袋のフジゲンのショップでした。
そこでテレを試奏させてもらい、満足して帰る、という筋書きのはずだったのですが・・・。
帰ってからすぐにジャックをスイッチクラフトにトーンとハイパスのコンデンサをオレンジドロップに換えました。
まだ作られてからひと月くらいしか経っていないギターだったので、しばらくの間、弾き込みながら音の変化を確認しつつ
ピックアップをリンディのブロードキャスターに換え、そしてチューニングが安定した頃にブリッジを6Wayのものに交換。
非常に素直なギターなので、その後は弾き込めば弾き込むほど鳴りが大きくなっていきました。
その後もスイッチとポッドをCTSに替え、これでまさに「ここぞという時に頼れる一本」となりました。
実際に当時やっていたバンドでは練習からライブまでメインとして活躍してくれました。
File 78.バッカス BLP-STD DS (茶々丸くん)
ひやかしで入った渋谷の楽器屋で久しぶりに私を呼ぶ声がする。 振り向くといたのです、この子が。
「呼ばれた」からには一度は弾いてあげようと思ったのですが、声をかけた店のお兄ちゃんが用意したのは
ブギーのレクチファイアというメタルギター用のアンプのミニ版でした。このアンプは歪ませてナンボ。
お兄ちゃんがバリバリのメタルトーン弾きだしたので、恐る恐る「あの、クリーンはどうかな?」とリクエスト。
しかしもうペラペラな音しか出てこず、これじゃダメだなと思いましたが、一応、受け取って弾いてみたところ・・・
ギター自体の鳴りがすごく素直で、アンプに通さなくても十分に気持ちいいのです。
もしやと思ってアンプをフェンダーのヴァィブロラックスに替えてもらったら、案の定、メチャクチャに良い。
結局、「お持ち帰り」してチェックしてみると、ジャックはスイッチクラフト、コンデンサは国産ビタミンQ、ポットもCTSです。
生真面目なギターを作ることで有名なバッカスが、本当に生真面目に作ったギターなのでした。
それゆえか、弾くたびごとに一日一日と鳴りが大きくなっていきました。
本妻はテレキャスターであるワタシでありますが、 この艶っぽさにたびたび浮気させてもらいました。
それでもなかなかメインにはなれないもどかしさから、もっと弾いてもらえる誰かにということで
後ろ髪をひかれながらのお別れとなりました。
File 79 ヒストリー LZ-10 (バーバラさん)
ある夜、グラス片手にネットで楽器屋巡りをしていたら、よく行く楽器屋の中古のページにあった
一本のギターに魅了されてしまいました。ボディが幾分小さめなストラトのようでしたが、
そのボディの色に一目惚れしてしまったのです。それはなんとも渋く艶っぽい「黒のペイズリー!」なのでした。
一目見た途端に「バーバラさん」という名が浮かびました。
そしてその時はそれで気が済んだはずでした。
ところが数日後、偶然にも池袋の得意先にいく用ができ、その帰りにその楽器屋を覗いてみました。
日にちも経っていたので、もうお嫁に行っているかもしれないと思いながら店に入ると案の定見つからない。
まあ、そんなものだろうと踵を返したその視線の先に・・・。 いました、紛れもなくあの「バーバラさん」です。
手に取ってみると、とにかくきれいに弾き込まれたギターで、前オーナーが愛用していた跡が随所に見受けられました。
音はストラト特有のミックストーンが実に色っぽく、その艶やかなルックスを裏切らない「オトナのギター」でした。
「オトナなオトコ」のワタシにふさわしいギターであると納得(?)して我が家へお連れしたのですが、
結局、数回のスタジオと一回のライブののちに切ない別れと相成りました。
もともとロック仕様の太いフレットが付いていて、これがワタシのスタイルに今ひとつ合わないことに気がつき、
さらにふとした気の迷いから手放してしまいました。ううむ、ワタシもまだまだ修行が足りないなあ・・・。
File 80 スクワイア Vintage Modified Telecaster Custom (クロちゃん)
実を言うと、ハムとシングルが載った4コントロールの黒のテレカスタムは前から欲しかったんです。
ええ、もちろんあの人やあの人が使っているのに影響されてのことです。はい、単なるミーハーですね。
いつものように近所のスーパーへ「おつかい」のついでに、建物の中にあるハード○フに寄りました。
少し前からこの子が壁にぶら下がっているのは気が付いていましたが、その日は妙に気になったのでした。
翌日の味噌汁の豆腐となめこの入ったビニール袋を片手に、とりあえず弾かせてもらうことにしました。
ところが音はペニャペニャだわ、1弦はフレットからはずれるわでとても弾けたものではない。
なんじゃこりゃ?と思ったのですが、よくよく見るとブリッジの調整がでたらめなことが諸悪の根源らしい。
工具を借りてちょこちょこといじって、さらにざっと調整した後、もう一度弾いてみると「あら、ま」。
ボディに小さな打痕はあるものの、あまり目立ったキズはない。ただボリューム側のノブの印字が
かなり薄かったり、ピッキングの後が細かくついているところを見ると結構大事に弾き込まれたようです。
音がイイカンジに抜けるのはそのせいに違いありません。ギターは弾かれてナンボですからね。
諭吉くんが二人ちょいということもあり、めでたく我が家の門をくぐることとなりました。
いつものようにまずは基本メンテとコンデンサやジャックなどの細かい部分だけを取り替えたあと、
さっそくバンドの練習に持っていったのですが、クリーンも歪みもなかなかに良い声で歌ってくれました。
これでいいと思い、ブリッジを6ウェイに換えるだけでピックアップの載せ替えはしないことにしました。
え? 「何を使っても一緒だってことにやっと気が付いたんだろう」って?
ううむ、そうなんです。 あれやこれやと80本も使ってみて、やっと・・・・。 (って、ほっといて頂戴!)
一度スタジオで弾きまくった後は、しばらくの間、自宅での練習用に使っていたのですが、ブリッジがズレていて
一弦がすぐに落ちてしまう不具合に、ある日突然気がつきました。穴を埋めて付け替えようかとも思ったのですが、
そこまでの作業をする時間もなく、程なく手を離れていきました。
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